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郷に入っては郷に従え【山本伸裕①】
教祖130年祭の前日、21歳の私は関西国際空港に降り立った。 中国の蘇州という街での1年に渡る留学から帰国したのである。 留学生活での確かな成長、学び、達成感と寂しさで胸がいっぱいだったのを覚えている。 1年も生活をしていると衝撃的な経験もたく... -
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海賊丸【其の四十】
篳篥にも盗賊を改心させた物語が「古今著問集」始め多くの書物に載っています。 平安時代に、和爾という篳篥吹きが四国(土佐の神社の船遊び)から京へ船で帰る途中、安芸の国の某湊で、海賊に襲われた。 用光は楽人なので弓矢の使い方も知らない。 身ぐるみ... -
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21st【中田大安②】
日本ではこれまで新成人となる20歳の大きな節目の年に、成人式などの行事で盛大にお祝いをしてきた。 しかし、今年度より成人年齢が約140年ぶりに18歳に引き下げられたこととなった。 今後成人式がどのように行われるようになるのかは興味を惹くところ... -
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盗賊【其の三十九】
ある晩、博雅の家に四、五人の盗賊が入りました。 物音に気付いた博雅は急いで布団から身を起こすと板敷きの板をあげ、床下に潜り込みました。 奥さんや娘さんは、親戚へ行っていてその晩は留守でした。 盗賊は、誰もいないことをいいことに、手当たり次第... -
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当たり前じゃない世界【中田大安①】
日本から赤道を超え、南へ約8千㎞。 オーストラリアの地で過ごした6年半は、私の人生のかけがえのない宝物となっている。 「わあ、空が広い」ありきたりな感想だが、まだ純粋な心を失っていなかった若干15歳の私が、異国の地に降り立った瞬間に最初に抱い... -
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葉二(はふたつ)【其の三十八】
次も、博雅三位のエピソードで、鬼と笛を取り替えた話が「十訓抄」(鎌倉時代中期の説話集)に収められている。 博雅三位こと源博雅が、月の明るい夜、朱雀門の前で笛を吹いていた際、同じように笛を吹いている男性に出会います。 博雅は誰だろうと思いま... -
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行ってみないと分からないこと【石見元信②】
台湾で留学生活を送る中で、にをいがけにも行かせていただきましたが、日本とは大きく異なる宗教観に驚きました。 繁華街で神名流しやよろづよ八首てをどりをしていると、物珍しさからか写真を撮っていく人、路傍講演をしていると、立ち止まって聴いてくだ... -
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玄象(げんじょう)【其の三十六・三十七】
博雅が絡む話の第一に琵琶の名器・玄象まつわる話です。 今は昔、村上天皇の御代に、玄象という琵琶が、突然、消えて失せてしまった。 これは皇室に代々伝わってきた由緒ある宝物であったが、このようになくなってしまったので、天皇がひどく嘆かれ、「こ... -
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源 博雅【其の三十五】
長い歴史のある雅楽には、さまざまなエピソードが残されている。 人に関したもの、楽器に関したものなど。そうした中から少し取り上げて紹介したいと思う。 まず、最近、陰陽師(夢枕獏著)の小説で知っている方も多いと思うが、源博雅を取り上げてみたい... -
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中国語の熱いシャワーを浴びてこい【石見元信①】
天理大学在学中に文化実習で約3週間、台湾へ行ったのが初めての訪台となり、その後も言語劇の海外公演や交換留学と何度か台湾を訪れる機会がありました。 中国語専攻の先生から文化実習や留学に行く前に度々言われたのが「日本で中国語を勉強していても... -
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風姿花伝【其の三十四】
雅楽から出た言葉の掲載を終え、箸休めならぬ筆休めとして、先に「序の口」(昨年7月号)の項で出てきました「風姿花伝」について、林望(はやしのぞむ・作家)氏が某紙に書いておられた文章を転載します。 世阿弥の『風姿花伝』、これじつは『花伝』とい... -
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雅楽から生まれた言葉⑩【其の三十三】
甲高い 雅楽では、高い音のことを甲音(こうおん・かんおん・セメ音のこと)と言います。 逆に低い音のことを乙音(おつおん・フクラ音)と言います。 このことから、高い声などを「かんだかい」というようになったとのことです。 甲と乙では、一オクター...