コラム– category –
-
行ってみないと分からないこと【石見元信②】
台湾で留学生活を送る中で、にをいがけにも行かせていただきましたが、日本とは大きく異なる宗教観に驚きました。 繁華街で神名流しやよろづよ八首てをどりをしていると、物珍しさからか写真を撮っていく人、路傍講演をしていると、立ち止まって聴いてくだ... -
玄象(げんじょう)【其の三十六・三十七】
博雅が絡む話の第一に琵琶の名器・玄象まつわる話です。 今は昔、村上天皇の御代に、玄象という琵琶が、突然、消えて失せてしまった。 これは皇室に代々伝わってきた由緒ある宝物であったが、このようになくなってしまったので、天皇がひどく嘆かれ、「こ... -
源 博雅【其の三十五】
長い歴史のある雅楽には、さまざまなエピソードが残されている。 人に関したもの、楽器に関したものなど。そうした中から少し取り上げて紹介したいと思う。 まず、最近、陰陽師(夢枕獏著)の小説で知っている方も多いと思うが、源博雅を取り上げてみたい... -
中国語の熱いシャワーを浴びてこい【石見元信①】
天理大学在学中に文化実習で約3週間、台湾へ行ったのが初めての訪台となり、その後も言語劇の海外公演や交換留学と何度か台湾を訪れる機会がありました。 中国語専攻の先生から文化実習や留学に行く前に度々言われたのが「日本で中国語を勉強していても... -
風姿花伝【其の三十四】
雅楽から出た言葉の掲載を終え、箸休めならぬ筆休めとして、先に「序の口」(昨年7月号)の項で出てきました「風姿花伝」について、林望(はやしのぞむ・作家)氏が某紙に書いておられた文章を転載します。 世阿弥の『風姿花伝』、これじつは『花伝』とい... -
雅楽から生まれた言葉⑩【其の三十三】
甲高い 雅楽では、高い音のことを甲音(こうおん・かんおん・セメ音のこと)と言います。 逆に低い音のことを乙音(おつおん・フクラ音)と言います。 このことから、高い声などを「かんだかい」というようになったとのことです。 甲と乙では、一オクター... -
行ってみないとわからない!【北野雄始②】
【「常識の崩壊編」】 台湾への渡航を機に「チャンスがあれば海外に行きたい」と思うようになった私に、父が「アメリカで教会長をしている同級生がいる」という話をしてくれました。 憧れの国アメリカ。 この願ってもないチャンスを、掴みにいかない理由は... -
雅楽から生まれた言葉⑨【其の三十二】
呂律が回らない 呂律 となったとされています。 雅楽の6つの調のうち、3つが「呂旋」になります。 解りやすく理解するとなれば、呂旋・律旋というのは、長調と短調のようなものと考えて頂くと間違いはないと思います。 つまり音階の違いです。この長調と... -
行ってみないとわからない!【北野雄始①】
【「決意のコーヒー編」】 学生時代、父から常々海外へ行くよう勧められていましたが、毎日の生活が充実していたこともあり、父の言葉に聞く耳を持てませんでした。 そんな私に、25歳の時、初めての海外、台湾へ行く御用を頂きました。 上空から目にする台... -
雅楽から生まれた言葉⑧【其の三十一】
やたら 「やたら安い」「やたら多い」など「やたら」という言葉を使ったことがあると思います。 不思議な言葉です。意味は秩序や節度のない様子、筋が通らないさま、むやみに、とかみだりにとか、尋常でない様子などで使います。 漢字で表記すると「矢鱈」... -
手を合わせる【橋本孝介②】
私がタイで生活していた毎日の中で、一日一度は必ず行う動作がありました。それは合掌です。 タイでは多くの方が主に仏教を信仰されており、街の至る所にある寺院で手を合わせる姿をよく目にします。 また、「こんにちは」「さようなら」などの日々の挨拶... -
雅楽から生まれた言葉⑦【其の三十】
申し合わせ 打ち合わせと同じ意味で、前もって相談をすること。 下相談をすることをいいます。 応仁の乱以降、京では楽人の手が足りないことがあり、大阪・奈良の楽人を京に招き、演奏に参加するのだが、普段交流のない楽人たちが集まっても簡単に合わせら...