雅楽の話– category –
-
雅楽から生まれた言葉⑥【其の二十九】
二の舞 前の人と同じような失敗をした時に使われます。同じ失敗を再び繰り返すことを言います(二の舞を踏む)。 二の舞は舞楽の曲名です。 安摩) の二人が舞台に上がり、二人の舞を真似て舞い始めます。 しかし、上手に舞えず滑稽な所作をするところから... -
雅楽から生まれた言葉⑤【其の二十七・二十八】
千秋楽 この言葉を知っている人は多いでしょう。 相撲の最終日のことを言いますね。 その他、芝居などの興行の最後の日、また、物事の終わりなどにも使われます。 千秋楽は雅楽の盤渉調の曲名です。 後三条天皇か、近衛天皇の大嘗会に作られた曲です。 こ... -
雅楽から生まれた言葉④【其の二十六】
序の口 物事の始まりのことを序の口といいます。 相撲でも最初は序の口から始まり、次いで、序二段などとあがって行きます。 相撲では、上の口(上にあがる最初の段階)といっていたのが、序の口となったようです。 この序の口は相撲の番付から来た言葉だ... -
雅楽から生まれた言葉③【其の二十五】
こつ コツー物事をする場合のかんどころ。要領をいいます。 物事の要点を把握し、核心を外さないように扱うさま。要領を得た様子のこと。(実用日本語表現辞典) 漢字では「骨」と書いて、物事の本質を掴つかむ様を表す。というのが一般に使われています。... -
雅楽から生まれた言葉②【其の二十四】
楽屋 楽屋とは、劇場やテレビ局などで出演者などが控える部屋です。 出演者などはこの部屋で更衣や化粧をして出番を待ちます。 雅楽では、楽人が奏楽をする場所でした。 昔、庭に舞台を造り、楽屋はそばに仮設のものを造り管方の演奏する場所にしていまし... -
雅楽から生まれた言葉①【其の二十三】
塩梅(按配) 物事の具合や様子、また程よい加減のときに用いられます。 その表現する意味は① 物事の具合や様子② 身体の具合や様子③料理の味付けの具合④物事を程好く処理した場合。 などが挙げられます。 よく、塩梅の語源は料理の塩加減から来ていると思... -
枕草子 二百七①【其の二十二】
笛は 横笛、いみじうをかし。遠うより聞ゆるがやうやう近うなりゆくもをかし。近かりつるが遥かかになりて、いとほのかに聞ゆるも、いとをかし。車にても、徒歩のやうに見えたり。 《注釈》 笛は 横笛が、とてもすばらしい。 (その音が)遠くの方から聞... -
枕草子②【其の二十・二十一】
枕草子 二〇六 弾はさうぶれん。 《注釈》 弾く楽器は 琵琶(がいちばんすばらしい)。 (その)調は、風香調。黄鐘調。蘇合の急。 (それから)鶯の囀りという曲(がよい)。 (弾く楽器では)筝の琴(という十三絃の絃楽器)が、まことに立派である。 ... -
枕草子①【其の十九】
枕草子の雅楽に関した文章(旺文社 田中重太郎訳注)に注釈、それに、東儀俊美」という著書の中で書いておられる文章を紹介したいと思います。 枕草子 二〇五 舞は 駿河舞は二人して膝踏みて舞ひたる。狛がた。 《注釈》 舞は 駿河舞(がいい)。(そ... -
略史⑥【其の十八】
三方及第について、あと少し書いてみます。 「舞楽の両道大唐の物といえども断絶してはいけない。 日本で相続のことは誇りにすべきこと、禄が微にして相続なりがたきによって加増して今年より領地二千石を渡す」と加増され、この中に芸料二百石があり、上... -
略史⑤【其の十七】
応仁の乱により、都も戦渦にまきこまれ雅楽も絶滅の危機に襲われます。 楽家の人々も命の危険に晒されることになりました。 平安末期から、雅楽は法会や祭礼に付随して厳島神社や鶴岡八幡宮などで奏楽されていましたが、都を落ち延び、知る辺を頼って地方... -
略史④【其の十六】
ここで雅楽を専門職業とする楽家についても書いておかなければならないでしょう。 大同二年(807)に近衛府が形成されてきたと考えられます。 さらに、そうした人々の中に、雅楽を専門的に世襲する楽家が現れてきました。 また、神社や仏閣を中心に雅楽を...