雅楽から生まれた言葉⑦【其の三十】

申し合わせ

打ち合わせと同じ意味で、前もって相談をすること。

下相談をすることをいいます。

応仁の乱以降、京では楽人の手が足りないことがあり、大阪・奈良の楽人を京に招き、演奏に参加するのだが、普段交流のない楽人たちが集まっても簡単に合わせられない。

そこで、まず打楽器( 鞨鼓、太鼓、鉦鼓) を合わせる。

打ち合わせ

源氏物語にも「夜もすがら尊きことにうちあわせたるつづみの音たえず おもしろし」と打ち合わせ、申し合わせの光景が記されています。

打ち合わせの後、合奏練習となり、申し合わせがされます。

これは、現在でも行われています。

雅楽は長い歴史の中、三方楽所で伝承されてきましたが、細かい所で違った演奏内容が見られました。

そこで、演奏をまとめるために、「打ち合わせ」や「申し合わせ」という方法がとられました。

調子

調子という言葉もよく遣います。

音の高低、速さ、リズム、拍子。

また、動作や進行の勢い。

状態(動作・活動・身体)などに使います。

例としては、「調子が良い」「調子が出る」「エンジンの調子を見る」「からだの調子が悪い」「調子をくずす」などさまざまです。

雅楽では、舞楽の始めに演奏します。

舞人が入場するときに、笙が吹き始め( 追い吹き) 次に篳篥の追い吹き、笛の品玄・音取と続き舞人が登台( 舞台に上がる)します。

このときに吹かれるのが「調子」という曲です。

なお、この調子を縮めたものが音取だといわれています。