雅楽から生まれた言葉⑧【其の三十一】

やたら

「やたら安い」「やたら多い」など「やたら」という言葉を使ったことがあると思います。

不思議な言葉です。意味は秩序や節度のない様子、筋が通らないさま、むやみに、とかみだりにとか、尋常でない様子などで使います。

漢字で表記すると「矢鱈」となります。これは当て字です。

この言葉も雅楽から出てきた言葉です。

雅楽には「管絃」と「舞楽」があることは前に書きました。

その拍子で、只拍子という拍子があります。

これは、2拍と4拍の混合拍子といわれるもので、121234・121234と拍子を数えていきます。

これが舞楽になりますと、12123・12123と五拍子にとります。

この拍子のことを「八多羅拍子」「夜多羅拍子」「八多良拍子」といいます。

この拍子はテンポも早く、調子も乱れやすいことから、秩序や節度のないさまを「やたら」というようになった。といわれています。

打ち合わせ

無粋な人やもの、その行いなどに使う言葉です。洗練されていないことにも使います。

これも雅楽から生まれた言葉との説があります。

「笙」には「」と「もう」にはリード( 舌) がついていません。つまり音が鳴らないのです。

そこから役立たずの意味で、やもう→やも→やぼと変化し、野暮となったとされています。

あと一つは、田舎者を表す「野や夫ふ」が転じたとする説の二つがあります。

また、「谷保天満宮」から出た、という説もあります。これは大田蜀山人が「神ならば出雲の国へゆくべきに目白で開帳やぼのてんじん」と詠んだ狂歌から生まれたとする説もありますが、それ以前から「やぼ」という言葉は存在するため、無関係だと思われます。