雅楽の話– category –
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雅楽の話
玄象(げんじょう)【其の三十六・三十七】
博雅が絡む話の第一に琵琶の名器・玄象まつわる話です。 今は昔、村上天皇の御代に、玄象という琵琶が、突然、消えて失せてしまった。 これは皇室に代々伝わってきた由緒ある宝物であったが、このようになくなってしまったので、天皇がひどく嘆かれ、「こ... -
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源 博雅【其の三十五】
長い歴史のある雅楽には、さまざまなエピソードが残されている。 人に関したもの、楽器に関したものなど。そうした中から少し取り上げて紹介したいと思う。 まず、最近、陰陽師(夢枕獏著)の小説で知っている方も多いと思うが、源博雅を取り上げてみたい... -
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風姿花伝【其の三十四】
雅楽から出た言葉の掲載を終え、箸休めならぬ筆休めとして、先に「序の口」(昨年7月号)の項で出てきました「風姿花伝」について、林望(はやしのぞむ・作家)氏が某紙に書いておられた文章を転載します。 世阿弥の『風姿花伝』、これじつは『花伝』とい... -
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雅楽から生まれた言葉⑩【其の三十三】
甲高い 雅楽では、高い音のことを甲音(こうおん・かんおん・セメ音のこと)と言います。 逆に低い音のことを乙音(おつおん・フクラ音)と言います。 このことから、高い声などを「かんだかい」というようになったとのことです。 甲と乙では、一オクター... -
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雅楽から生まれた言葉⑨【其の三十二】
呂律が回らない 呂律 となったとされています。 雅楽の6つの調のうち、3つが「呂旋」になります。 解りやすく理解するとなれば、呂旋・律旋というのは、長調と短調のようなものと考えて頂くと間違いはないと思います。 つまり音階の違いです。この長調と... -
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雅楽から生まれた言葉⑧【其の三十一】
やたら 「やたら安い」「やたら多い」など「やたら」という言葉を使ったことがあると思います。 不思議な言葉です。意味は秩序や節度のない様子、筋が通らないさま、むやみに、とかみだりにとか、尋常でない様子などで使います。 漢字で表記すると「矢鱈」... -
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雅楽から生まれた言葉⑦【其の三十】
申し合わせ 打ち合わせと同じ意味で、前もって相談をすること。 下相談をすることをいいます。 応仁の乱以降、京では楽人の手が足りないことがあり、大阪・奈良の楽人を京に招き、演奏に参加するのだが、普段交流のない楽人たちが集まっても簡単に合わせら... -
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雅楽から生まれた言葉⑥【其の二十九】
二の舞 前の人と同じような失敗をした時に使われます。同じ失敗を再び繰り返すことを言います(二の舞を踏む)。 二の舞は舞楽の曲名です。 安摩) の二人が舞台に上がり、二人の舞を真似て舞い始めます。 しかし、上手に舞えず滑稽な所作をするところから... -
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雅楽から生まれた言葉⑤【其の二十七・二十八】
千秋楽 この言葉を知っている人は多いでしょう。 相撲の最終日のことを言いますね。 その他、芝居などの興行の最後の日、また、物事の終わりなどにも使われます。 千秋楽は雅楽の盤渉調の曲名です。 後三条天皇か、近衛天皇の大嘗会に作られた曲です。 こ... -
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雅楽から生まれた言葉④【其の二十六】
序の口 物事の始まりのことを序の口といいます。 相撲でも最初は序の口から始まり、次いで、序二段などとあがって行きます。 相撲では、上の口(上にあがる最初の段階)といっていたのが、序の口となったようです。 この序の口は相撲の番付から来た言葉だ... -
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雅楽から生まれた言葉③【其の二十五】
こつ コツー物事をする場合のかんどころ。要領をいいます。 物事の要点を把握し、核心を外さないように扱うさま。要領を得た様子のこと。(実用日本語表現辞典) 漢字では「骨」と書いて、物事の本質を掴つかむ様を表す。というのが一般に使われています。... -
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雅楽から生まれた言葉②【其の二十四】
楽屋 楽屋とは、劇場やテレビ局などで出演者などが控える部屋です。 出演者などはこの部屋で更衣や化粧をして出番を待ちます。 雅楽では、楽人が奏楽をする場所でした。 昔、庭に舞台を造り、楽屋はそばに仮設のものを造り管方の演奏する場所にしていまし...