雅楽から生まれた言葉⑥【其の二十九】

二の舞

前の人と同じような失敗をした時に使われます。同じ失敗を再び繰り返すことを言います(二の舞を踏む)。

二の舞は舞楽の曲名です。

安摩あまという舞を舞った二人が舞台を降りると、続いて、それを見ていた老爺ろうや咲面えみめん) と老婆ろうば腫面はれめん) の二人が舞台に上がり、二人の舞を真似て舞い始めます。

しかし、上手に舞えず滑稽な所作をするところから、使われるようになりました。

「二の舞を踏む」というのは間違いで、「二の舞を演じる」が正しいとも言われております。

これは、「二の足を踏む」との誤用でないかとのことです。

しかし、大槻文彦の「大言海」には、安摩の解説中に「俗に笑みあま、泣きあまと云ふ、其舞ふ手振、足振、安摩を真似て、真似得ざる状なり。

世に前人の所為を、徒真似てするを、二舞(ニノマヒ)を踏むと云ふ、是れなり」とある。

また、室町時代末期の御伽草子「唐糸草子」には「三番は熊野が娘の侍従、太平楽(前述)をふむ」とあり、あながち間違いではないと思われます。

二の句が告(継)げない

あきれかえったり、あまりのことに何も返す言葉が出なかったりした時などに使われたりします。

雅楽の「朗詠ろうえい」から生まれた言葉です。

朗詠は、漢詩に節をつけたもので、「一の句、二の句、三の句」と三段に歌われますが、それぞれ句頭くとうが最初の部分を独唱します。

そのとき、二の句は非常に高い律( 音程) で歌い出さねばなりません。

その音がなかなか出ない、出せないことがしばしばあります。

そんなことから、二の句が出せないという意味あいから、告げられないとなって行きました。

なお前にも書きましたが、和歌に節をつけたものを「催馬楽さいばら」といいます。

「朗詠」や「催馬楽」は歌物というジャンルに入ります。