ところで、令和になって八ヵ月が過ぎました。
十一月十四日から十五日にかけて大嘗祭が行われました。
天皇が即位され、生涯に一度つとめられる儀式(祭典)です。
大嘗殿の右側に悠紀殿、左側に主基殿があり、双方の御殿で天皇が神様と対話をし、食事をされます。
現在、雅楽の演奏される種類は、唐楽と呼ばれる、一般に祭典などで演奏される音楽。
次に韓国から伝わった高麗楽。
謡ものとして、催馬楽・朗詠。
宮中賢所で奏される御神楽(民間で行っているのは里神楽)。
国風歌舞。
などがあります。
今回の大嘗祭には、悠紀殿の儀では悠紀地方の風俗歌が歌われ、主基殿でんの儀では主基地方の風俗歌が歌われました。
宮中の行事に雅楽が重要な役割を果たしその一分野である国風歌舞が、大嘗祭にも一端を担うことを考えるとき、雅楽に対する認識を新たにして、自信を持って奏楽に対処したいと思います。
この、大嘗祭については、ニュースなどで既にご存知でしょうが、今一度振り返ってみますと。
即位した天皇が、悠紀(東国) 主基(西国)地方から献上された新穀を神々に供え、自らもそれを食し、五穀豊穣と国家・国民の安寧を祈願する儀式。
で、一代で一度だけ行われる皇室行事であり、通年は新嘗祭として、つとめられます。
各神社でも、毎年十一月ころにつとめられます。
一般には、収穫祭と言えるものです。
最近日本でも若者が良く話題を提供しているハロウィーンも古代ケルトを起源とする秋の収穫を祝う行事です。
しかし、我々にとって、一年の収穫を祝うことは当然の事と思われ、親神様に感謝の思いで月次祭をつとめていますが、改めて収穫祭と聞くと新鮮な気がいたします。
感謝と喜びの心を持ってつとめているつもりでも、新米を前にして本当に心から神様に御礼の気持ちを持って月次祭をつとめたか、つとめているか、反省の思いで一杯です。