今や天理教の祭儀式に欠かす事の出来ないBGMとなったガガク。
御本部で、それぞれの教会でお馴染みの音楽だが、意外と知られていないのがこの雅楽ではないだろうか。
そこで雅楽という音楽のイロハを知っていただくために、雅楽の面白いエピソードなどを交えて楽しんでいただきたいと、この紙面をお借りしました。しばらくお付き合いください。
神社やお寺などでよく演奏される雅楽ですが。お道において雅楽はどのように思われているのでしょうか。
その存在意義は、その立ち位置はいかに・・・。
ある大教会長様の言葉を借りれば、「雅楽は祭典における刺身のつま(妻・褄)である」との事。
いかに新鮮な刺身であっても、つまの見栄(みば)が悪ければ食欲をなくす。刺身の味を活かすのも添えられたつま次第だといえる。
御本部の月次祭に参拝したとき。
まず献饌から始まる。
雅楽の音が流れるなか、静々と神饌物が伝供される。
そして、真柱様はじめつとめ人衆の先生方が神殿に参進され祭儀式がつとめられる。
この時に雅楽は荘厳な雰囲気を醸し出す。
他のどのような音楽をも寄せ付けない存在感を人々に与える。
その感慨は“かぐらつとめ”“十二下りのてをどり”へと続いていく。
その雅楽だが。我が国に伝わったのは、今から約千四百年余も前のこと。
日本書紀によると、百済の味摩之が倭の櫻井にて伎楽(呉楽)を少年に教えたという。
この伎楽は、近年天理大学雅楽部が芝祐靖氏(元宮内庁楽師)の協力を得て復元し、東大寺大仏殿昭和の大修理の落慶法要に演奏したことは周知のことであろう。
以来、天理大学雅楽部の定期演奏会では必ず演奏され、演目も増えている。