行ってみないとわからない!【北野雄始②】

「常識の崩壊編」

台湾への渡航を機に「チャンスがあれば海外に行きたい」と思うようになった私に、父が「アメリカで教会長をしている同級生がいる」という話をしてくれました。

憧れの国アメリカ。

この願ってもないチャンスを、掴みにいかない理由はなく、すぐにお願いしてその会長さんとのアポを取り、おぢばでお会いできました。

渡米期間は3か月、内容は教会青年。

英語も話せないのに「海外に行ってその地を経験したい」という、なんとも身勝手な思いの私を受け入れて下さった会長さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

教会のある場所は、カリフォルニア州のフレズノという砂漠気候の町。

関空からサンフランシスコに飛び、国内線に乗り換えてヨセミテ国際空港に行くのですが、英語が全く話せない私は案の定税関で止められ、サンフランシスコの乗り換えでは大きすぎる空港で迷い、乗り継ぎ機の遅延と、最初からアクシデント続きでした。

教会での生活はひのきしん中心の生活。

野球場ほどあろうかという敷地の松の剪定や掃除が主な内容でした。

しかし、そんな生活ですら、初めて体験する気候や英語しか聞こえないラジオのおかげで、とても充実していました。

当時、教会には日本からの留学生がいて、彼女が通う大学に一緒に行くことになりました。

登校の為に乗ったバスが、途中のバス停に停まったまま発進しなくなりました。

10分程経過した後、運転手がバス停横のマクドナルドから出てくるのが見えました。

乗客は運転手が朝食を買うのを待たされていたのでした。

毎日のルーティーンらしく、私以外の乗客は全く気していない様子でした。

ある日会長さんと映画を観に行きました。

当然字幕は無く細かいところは意味不明ですが、観て楽しめる内容でした。

それより驚いたのは会場の雰囲気。

日本の映画館は静かに観るのが当然のルール。

しかしアメリカでは喜怒哀楽を会場全員でシェアするのが当たり前。

シーンごとにみんなで一緒に驚き、叫び、悲しみ、喜び、応援し、最初は戸惑っていた私も途中からは会場の一体感に居心地の良さすら感じ、めちゃくちゃ楽しかったです。

ヨセミテの大自然に抱かれて

また別日には、せっかくフレズノに来たのだからと、ヨセミテ国立公園に連れて行って下さいました。

一言でいうと、圧巻!!

圧倒的自然観に終始翻弄されっぱなしで、日本では感じたことの無かった自然の雄大さを実感しました。

最後に一つ。

アメリカ伝道庁の布教の家に入寮させていただき、毎日戸別訪問に歩きました。

この時の経験が私の布教に対する価値観を180度変えてくれました。

おぢばから離れ、言語が通じないからこそ教祖を求め、教祖を求めるからこそ鮮やかな御守護を頂ける。

本当にいい経験をしました。

異国の地での経験は、自分の成長に大きな影響を与えてくれます。

次はどんな国でどんな経験をするのか、そんなことをモチベーションにしながら過ごす毎日も、案外いいものです。(北野雄始)