【主催者手記】
災害救援ひのきしん隊奈良教区隊(冨松基成隊長)は、10月28日、29日に大和郡山市立里山の駅「風とんぼ」を会場に、郡山大教会の協力のもと、教区訓練を実施、溜池の浚渫(泥、落葉の除去)、草刈り、雑木伐採、遊歩道整備などの作業を行った。
会場となった「風とんぼ」は、市のキャンプのできる野外活動施設でコロナ以前は毎年大勢の子ども達に利用されていた人気スポットであるが、コロナ禍でも屋外行事が可能ということで利用者も多い。
今回も昨年同様、コロナ禍での実施のため、二日間の日帰りで行い、参加者は本部災救隊による活動ガイドラインに沿って、二週間前からの検温、健康チェックを行った上で本番に臨んだ。
当日は大和郡山市長出席のもと、結隊式が行われ、溜池の浚渫1班と雑木伐採2班、遊歩道整備1班に分かれ、普段の整備では行き届かない場所を中心に作業を行った。
中でも溜池の浚渫現場は、近年の訓練では経験のない厳しい作業であった。
重機が思うように作業できないぬかるんだ斜面のため、水中ポンプで泥水を汲み出しながら手箕やカゴを用いての手作業による人海戦術で行い、隊員たちは悪臭の漂う中、泥まみれになりながら泥、落ち葉の搬出に汗を流した。
現場は、被災家屋からの泥搬出作業のような本番さながらの様子であった。
伐採班では、チェーンソーの使用に長けた経験者を中心に、初心者に技術講習を行いながら作業を進め、また特別大きなナラの枯木の伐採については、プロの教友に担当していただいた。
また遊歩道の整備では、道にかかる雑木や朽ち木を伐採したり、丸太を取り除いたりした。
そしてテーラーやクローラーを使用してそれらを運び、ぬかるんだ箇所には砕石をまいて歩きやすくするなど、作業は多岐にわたった。
参加者は勇んで訓練にあたり、途中マムシ出没による作業中断や、隊員がハチに刺されるといったトラブルはあったものの、大事には至らず、予定していた作業全てを完了した。
毎回の事ながら、災救隊の統率のとれた行動、また、こなす作業の量、連携の良さに施設の職員の方々は驚き、感銘してくださり、大和郡山市長はじめ、風とんぼの皆様方に大変喜んで頂き、有意義な訓練となった。
参加隊員数は両日合わせて82名であった。(常任委員 森田甚一・記)