皆さんは、音楽は好きですか?
布教隊の活動を通して強く感じたことの一つに、音楽を通して深まった絆があります。
今回は、音楽が深めてくれたミュージシャン夫妻との絆と、心を込めたおたすけのお話です。
いまから7年前、第2回目の布教隊実動中のことです。
オセアニア出張所での参拝を終え、私たちの布教拠点の一つであるゴールドコーストへ戻ろうとしていたお昼過ぎ、出張所に一本の電話がかかってきました。
電話をかけてきたのは、ロシェル・ウェイクリングさんという30代の女性。
「数年前、天理教の方に祈っていただいたことがあるのですが、もう一度祈っていただきたくて…」と話す彼女に、松井知春所長(当時)は「ちょうど日本から来た天理教の布教師がいますので、いまから行ってもらいますね」と伝え、私たちに住所をメモした紙を託してくださいました。
そのメモを手に、高ぶる気持ちを抑えながら彼女の自宅に向かいました。
出張所から南へ約100㎞。
州の境を越え、広大な自然が広がる山間に住む彼女の自宅を訪ねると、夫のディーンさんと娘のソフィアちゃんも一緒に出迎えてくれました。
私たちは英語が、ロシェルさん家族は日本語が話せません。
数少ない英単語を並べながらコミュニケーションをとると、二人がプロのミュージシャンだということが分かりました。
夫妻が持ち出してきたギターやカホン(ペルー発祥の打楽器)を奏でながら、過ぎゆく時間を忘れて一緒に歌をうたいました。
緊張もほぐれ、お互いの心が向き合っていることを感じながら、おさづけを取り次がせていただきました。
それからは、滞在中に数回おたすけに通い、毎年の布教隊実動でも必ず伺う通い先となったのです。
ロシェルさんとの出会いから2年後の春、突然、彼女から「私の母が、大動脈解離で集中治療室にいます。肺の一部がつぶれていて、不安で、怖くて仕方ない。回復を祈ってくれませんか?」とのメールが届きました。
連絡を取り合い、大教会長様とも相談し、連絡を受けた3日後に現地へとおたすけに向かいました。
現地に到着してから10日間、出張所でお願いづとめを勤め、毎日病院へ通い、おさづけを取り次ぎ、にをいがけに歩きました。
家族の懸命な看病と、心を込めたおたすけの甲斐もあって、彼女の母の手術は無事に成功。
現在はとても元気にされています。
この出来事を通して、ご守護頂いた喜びはもちろんですが、真っ先に私たちを頼ってくれた彼女の気持ちが何よりも嬉しかったです。
そして、前もっておさづけの取り次ぎを経験していた彼女を通して、教祖の先回りのご守護を感じ、心から感謝しました。
余談ですが、ロシェルさん夫妻にはブランドンさんという息子がいるのですが、実は彼ウエイトリフティングのオーストラリア代表選手。
先の東京五輪にも出場し、総合13位の成績を残しました。
いつかロシェルさん家族を、おぢばへお連れしたいと思います。(芝田善展)