中国、朝鮮、ベトナム等々から伝わった雅楽は、当初、西洋音楽のオーケストラのような演奏形態でした。
正倉院には、その当時の楽器が残されています。
腰鼓―腰に結わえて演奏する
摺鼓―摺り鼓、手の指でこすり演奏した
鞨鼓―現在も使用
篳篥―現在も使用
奚婁鼓ー振り鼓、でんでん太鼓の形もある
簫―パンパイプ
筝ー琴のこと。
横笛ー龍笛など
五絃ー阮咸のこと
尺八ー琵琶ー現在も使用
答(弖)笙―笙の古称
箜篌―ハーブの一種
方磬―方響、長方形の小さな金属の板を十枚程吊るして撥で打ち鳴らす。
その他、大篳篥、竿 ( 低音部を受け持っていた笙、笙に吹き口をつけたもの) 等多数の楽器の編成で演奏されました。
この中で「あれ?」と思われた方もあるでしょう。”尺八”これは現在は琴との合奏でよく使われています。また、昔は虚無僧が吹いていたイメージがありますね。
実は、これも雅楽器だったのです。
さて、この正倉院に残されている楽器の復元がなされており、復元楽器による演奏なども行われています。十数年前に、奈良100年会館でも行われましたが、やはり現在の雅楽とは違ったものに感じました。
ともあれ、古の演奏を感じさせると共に雅楽が現在につながっている事を思ったとき、雅楽の奥深さを体感できたひとときでした。