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明治十六、七年頃のこと。孫のたまへと、二つ年下の曽孫のモトの二人で、「お祖母ちゃん、およつおくれ。」と言うて、せがみに行くと、教祖は、お手を眉のあたりにかざして、こちらをごらんになりながら、「ああ、たまさんとオモトか、一寸待ちや。」と、仰っしゃって、お坐りになっている背後の袋戸棚から出して、二人の掌に載せて下さるのが、いつも金米糖であった。
(一三四 思い出より)
私は、この逸話は、春の日だまりのようなあたたかさを感じ、童心に返りました。
サクラの花散る縁側で、たまえちゃんとモトちゃんが、金平糖を眺め、ママゴトごっこを楽しんでいる様子を、教祖がニコニコとご覧遊ばされている光景が浮かんできました。
さて、教祖は、金平糖の御供をお渡し下さる時、「ここは、人間元々の親里や。そうやから砂糖の御供を渡すのやで」とお説き下された。
まさに、子ども可愛い、親心が金平糖の不思議な形の中に宿っていると思うのです。
そしてそれは、お屋敷の天空より舞い降りてきた、星の滴の甘露かなぁと、ロマンチックな世界へ誘われました。
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