『教祖伝逸話篇イマジネーション』
                        絵と文 村方米太

  

西浦弥平は、お屋敷から戻って、夜遅く就寝したところ、夜中に、床下でコトコトと音がするので、そっと床下を覗いて見ると、一人の男が、「アッ」と言って飛び出し、闇の中へ逃げてしまった。

その後に大風呂敷が残っていた。弥平は、泥棒を取り逃がしたことは悔しかったが、大切な品々が盗られずにすんだので大層喜んだ。

その翌朝、早速お詣りして、教祖に「お陰で、結構でございました」とお礼を申し上げた。

すると、教祖は、「ほしい人にもろてもろたら、もっと結構やないか」と仰せになった。

弥平は、一瞬、教祖のお言葉の意味をつかみきれずに、そっとお顔を見たのです。教祖は、やさしく頬笑み返されただけでした。

その時、弥平の身体に感動が走り抜けました。弥平は、教祖は盗人を「ほしい人」と言われ、しかも「もろてもろたら」と贈り物をするような気持ちになれたら「もっと結構」。

即ち、欲の心が薄れ、より幸せな心になると、弥平さんは悟られたのだと、私は勝手に解釈しました。

教区報より