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| 「おたすけの妙味」 | ||
| 主事 上村善孝 | ||
数年前、ある布教師に出会い、彼からこんな話を聞きました。 胃潰瘍の人のおたすけで、相手から「参拝させて頂きます」と言ってくれるまで、十年かかったそうです。 そのおたすけのある日、所属の会長様より「もう身を固めたら」と縁談話があり、一生の相手を知りたいと懇願して、写真を見ると、何とその相手は自分にとって世界一嫌いなタイプであったと。日が経つと断りにくくなると思いその場で断ったそうです。するとおたすけ中の人が胃潰瘍から胃癌へと病気が悪化。 何故と色々と思案した末、胃は食べものなどを最初に受ける臓器だから「受ける」ことなんだと悟り、理の親である会長様の言われたことを受けてなかった、だから相手も受けなかったんだと反省をした。今後は、「会長様の言われることはどんなことでも皆受ける」と心を定めた。 そこに再度、会長様より縁談話が来た。 「会長様の言われる通りに致します」 「以前は、写真を見てからと言っていたのに、見なくて良いのか」 「はい、結構です」 「そうか良く分かった。ところでその相手というのは、前回君が断った相手だよ」 「えっ・・・・」 こんな会話の末、一度定めた事、返事をした事を覆すことなく、「お受けしたところ、胃癌の人の病気が治ったというのです。 世の中では「類は友を呼ぶ」「類を以って集まる」「人の振り見て我 が振り直せ」と言われ、お道では「見るもいんねん、聞くもいんねん、 世話をするのはなおさらのこと」と教えて頂きます。身上の方に足りな いことを求める前に、先達である私達ようぼくが、相手を鏡として、自 分も人も困らす癖・性分を改め、心の遣い方を直すのを、道先案内人と して実行で以って相手に映す。これがお互いがたすかる道で、互いたす け合いに妙味ではないでしょうか。 最後に「四人の子供と布教のできる家と、そして世界一素晴らしい奥 さんをお与え頂けて、お道は有難いですよ」と、活き活きと語っている 彼が、私には羨ましく思えてなりませんでした。 掲載:立教168年5月号 |